【2020年2月更新】フィルムはX線の影響は?装填済みカメラは大丈夫?空港手荷物検査について

COLUMN

【調べてみた】フィルムはX線の影響は受けるの?フィルム装填済みカメラは大丈夫?空港手荷物検査について

こんにちは。FILM PHOTO BLOG編集部のピント宮本です。

フィルムカメラを持って、いざ旅行へー。
飛行機の旅でお世話になるのが空港。そういえば・・・フィルムって空港の手荷物検査の際、X線の影響で感光してダメになるって本当?そんな疑問を調べてみました。

フィルムが光に触れて写真が撮れる理由

フィルムカメラで写真を撮れるのは、シャッターを切った際に通る光がフィルム面に当たり(感光)、ハロゲン化銀の化学反応を利用したもの。そして、感光したハロゲン化銀から像を浮かべる工程が「現像」です。よく、「銀塩カメラ」といわれるのも、フィルムの素材に銀物質(塩化銀・臭化銀・ヨウ化銀など)が使われているからなんですねー。

光の影響を受けやすいフィルムとは

フィルム選びのなかで大事なのが「感度」。フィルムに限らずデジタルカメラでも「ISO」と表示されるこの数字は、光を感じる強さを表しています。ISO100よりも、ISO400、さらにISO800、ISO1600・・・というように、光の影響は、数字が低いほど小さく、数字が高いほど大きいです。(再現性や描写力うんぬんのお話しはまたの機会に)

<参考>

>Wikipedia ISO感度

>LOMOGRAPHY / 基本に戻ろう フィルム感度について

フィルムにX線が通るとどうなる?

空港の手荷物検査では「ISO〜までは安全」と表示されていることがあります。ですが、何回もX線を通過することがあったり、市販されている「X線防止袋」のようなものを利用しても安全とは限りません。むしろ、空港職員や担当の方が、安全と思って荷物を雑に扱ってしまったり(とくにスーツケース!)、X線検査で表示されない防止袋を開けてしまったり・・・ということもあるようです。

フィルムは感光することで記録を残します。カメラのレンズを通した光だけではなく、空港の手荷物検査などで使用されているX線の影響を受けることがあります。たとえば・・・

  • 現像してみたら、写真に縞(しま)のような模様が入ってた!
  • 現像してみたら、全く写真が写っていなかった!
  • フィルムにうねうねとした帯のような柄がついていた!

・・・のようなことが!せっかく撮影した写真が台無しということも。とくにそんな影響を受けやすいのが、感度の高いフィルムと言われています。

航空会社やフィルム・カメラメーカーの対応は?

JALのWebサイト「FAQ」では、フィルムカメラに関する質問と回答が以下のように記載されています。

【質問】カメラを持って行きたいのですが。
【回答】機内持ち込み、お預けになるお手荷物どちらも可能です。
なお、一部の空港では、通常のX線検査に加え、CTスキャナーによる再検査が行われる場合がございます。

その際X線の照射量が増え、写真フィルムへの影響がでることが考えられますので、写真フィルムはお手荷物と一緒に機内へお持ちになることをおすすめいたします。

Q&A詳細 – JAL

また、2020年2月には富士フイルムが、そして古い情報ですが、2004年にフィルム・カメラメーカー5社が共同で出された声明文もありました。

米国の空港で機内持ち込み品検査に新しいCTスキャン方式の検査装置が2020年から順次全米各地に導入されているとの情報があります。

未現像の写真フィルム、インスタントフィルムに影響する可能性があるため、搭乗の際、未現像のフィルムは感度に関わらず機内持ち込みとし、係員によるX線を当てない目視(手)検査をお願いすることを推奨いたします。

米国空港での未現像写真フィルム・インスタントフィルムのお取り扱いについて – 富士フイルム

・ 飛行機をご利用の際は、撮影前か撮影済みにかかわらず、未現像のフィルムは、搭乗手続き時に預け入れ荷物として航空会社に預けず、必ず『手荷物』として機内に持ち込む。
・X線検査を何度も受けることが予想される時や、超高感度フィルム等で影響が懸念されるときは、機内持ち込み手荷物から取り出して、X線を当てない目視(手)検査を受ける。

フィルムメーカー5社より飛行機ご利用の方へのお知らせ – コニカミノルタ

フィルムはスーツケースよりも「手荷物」&「目視検査」で

上記を踏まえ、以下の対応をおすすめします。

  • フィルムおよびフィルムカメラは、スーツケースではなく「手荷物」で持つ
  • 中が見える透明な袋(ジップロック等)に入れておく
  • 袋に「FILM(フィルム)」や「Hand check please!」(ハンドチェック プリーズ)を記載しておく
  • 空港の手荷物検査には、時間の余裕をもって検査場所へ
  • できる限り(親切そうな)係の方に、丁寧に、根気よく伝える
  • でも、無理そうなときは諦める(別室で拘束される場合もあるため)

あと、つい忘れがちなのが、予備のフィルムや撮影済みフィルムだけでなく、首から提げているフィルム装填済みカメラのこと。手荷物として誘導され、そのままX線検査に流してしまうこともあるので気をつけて。

旅先や空港の最新情報チェックをお忘れなく

最近は海外だけではなく、日本国内でもテロ対策強化などもあり、空港での検査は厳しくなってきています。手荷物検査においても、空港や担当者によって細かく調べられることも。とくに初めて利用する空港の検査状況は、あらかじめ調べておくことをおすすめします。(空港だけでなく、国よっては鉄道利用の駅でもあるとか!

フィルムカメラと共に、よい旅になりますように〜。

参考リンク集

>米国X線検査強化に伴うフィルムの取扱いについて – Kodak alanis

>写真フィルムの手荷物検査、ヨーロッパの空港のまとめ – FAR FROM HERE

>【最新版】空港のX線検査ってフィルムを通して大丈夫? – 変デジ研究所

>X線検査に注意!旅して分かった空港でフィルムを持ち込む方法と対策

>フィルムカメラを飛行機に持ち込んでみた。8回も。 – 感性に入っていこう。

>恍然大悟 記事一覧

>【事例まとめ】写真用フィルムと空港でのX線検査について – Togetter

ピント宮本
FILM PHOTO BLOGの切込隊長。ピントの合っていない写真の方が大好き。でも、合ってるのも好き。

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