【基本のキ】フィルムカメラのデート機能を使って日付入り写真を撮ろう<後編>

COLUMN

【基本のキ】フィルムカメラのデート機能を使って日付入り写真を撮ろう<後編>

こんにちは。FILM PHOTO BLOG編集部のピント宮本です。

前回のコラム【基本のキ】フィルムカメラのデート機能を使って日付入り写真を撮ろう<前編>では、「デート機能がついているのは、どんなカメラ?」「カメラの機種で書体や色が異なる日付表示」についてお伝えしました。

今回のコラム後編では、引き続きフィルムカメラのデート機能を使った日付入り写真の魅力と共に、デート機能ならではのさまざまな問題(!?)についてもご紹介いたします。

12月25日を2010年から振り返ってみる

●2010年12月25日

息子が段ボール製の飛行機を運転していました。

●2011年12月25日

昨年の流れではないですが…ダンボール戦機のプラモデル!懐かしい。

●2012年12月25日

ニット帽を引っ張るmonogramスタッフ。おちゃめ。

●2013年12月25日

いまも撮り続けている会社の屋上から望む西の空。

●2014年12月25日

クリスマスカラーでコーディネートしたmonogramスタッフ。

●2015年12月25日

この年も赤や緑のカラーを取り入れたmonogramスタッフ 

●2016年12月25日

息子との買い物の帰り道。自転車を押して歩くマジックアワー。

●2017年12月25日

写真展の搬入に仙台からやってきた現場監督ズームな人。

●2018年12月25日

いつもお世話になっています!横浜からやってきたサンタな人。

●2019年12月25日

クリスマスカラーに彩られた東京タワー。

・・・と、2010年以降のクリスマス、12月25日に撮った毎年の写真でした。
日付入りの写真だと、すぐに思い返せますねー。
さて、今年2020年12月25日はどんな写真が撮ろうかな?

フィルムにもしっかり刻まれている年月日

●写真に刻まれている年月日はもちろんフィルムにも!

デジカメやスマホで撮った写真の場合、データに残された撮影記録やアプリで日付表示を自由に写真の上に付けることができますが、フィルムカメラの場合は違います。しっかりと現像済みのフィルムそのものに残っています!

ぜひお手元にデート機能を使ったフィルムのある方は、ぜひ確認してみてくださいね。

その日付表示は、最後の1枚という証

●くしゅっとした日付が表示される写真

このデート機能を使った日付表示が、なんだか左右にくしゅっと潰れたような写真を見たことありますか?

●原因は電子式カメラのフィルム巻き上げ構造によるもの

その原因は・・・フィルムカメラの構造によりますが、デート機能の印字(正式には露光)がカメラ内部で行われる際、フィルムの巻き上げが詰まってしまうことで起こる現象と考えられます。(他の原因の可能性もあります)

ちなみに、私が愛用しているFUJIFILM NATURA CLASSICAの場合、フィルムの最後ぎりぎりまで使用しているとたまに現れます。例えば、36枚撮りのフィルムを入れたけど、37枚目がおまけで撮れたときなど、最後の1枚にこうした現象が見られます。

このカメラの場合、シャッターを切った際に動作する電子式自動巻き上げのモーターと、デート機能を刻むために数字を露光する箇所(写真の赤丸部分)のタイミングがずれたことが原因で通常より潰れたような文字になるようです。

このくしゅっとした日付、読みにくいけどフィルム最後の残り1枚だったんだなぁ〜と思い返されます。

フィルムカメラ「デート機能」2020年問題

●空からの大魔王のせいで2020年以降は使えなくなった!?

これは、いまから20年前にあった嘘のような本当のお話し。

西暦1999年から2000年に切り替わるタイミングのこと。世の中のコンピューターが正しく年月日処理ができなくなる恐れがあったことから、誤作動で世界中がパニックになると言われました。当時「1999年7の月、空から恐怖の大王が降りてきて人類が滅亡する」と言われた「ノストラダムスの大予言」が書かれた書籍が大ブーム。コンピューターの年月日処理によるトラブルで世界各国の核爆弾が発射されるという暗示か!?という噂もありましたが…そんなことは起こりませんでした!

1980年代以降、デート機能を搭載したフィルムカメラ。前述のコンピューターのように、フィルムカメラの日付表示も2020年が表示されないため、2019年12月31日が最後になると言われました。

でも実際は、機種やメーカーによって2020年以降も表示され、機種によっては2100年まで表示されるカメラも!以下一部機種ですが、参考までにご紹介します。

<2022年まで>
・Canon Autoboy WT28

<2024年まで>
・RICOH GR1、GR1s、GR1v

<2025年まで>
・FUJIFILM TIARA

<2029年まで>
・Canon Autoboy ZOOM
・Konica/MINOLTA BiG mini NOU 135、Capios 25、Capios 125

<2030年まで>
・OLYMPUS μ ZOOM 105、μ-Ⅱ
・PENTAX ESPIOシリーズ

<2034年まで>
・FUJIFILM NATURA S、NATURA BLACK F1.9

<2035年まで>
・FUJIFILM NATURA CLASSICA、NATURA NS

<2040年まで>
・FUJIFILM KLASSEシリーズ

<2049年まで>
・CONTAX T3
・KYOCERA YASHICA EZ Zoom 105
・Nikon Lite Touch Zoom 70Ws QD
・OLYMPUS TRIP AF 50

<2050年まで>
・Canon Autoboy N150、Autoboy 180、Autoboy N130Ⅱ
・Leica C3

<2099年・2100年まで>
・CONTAX TVSⅢ
・KYOCERA/YASHICA Zoomate 120SE-165SE、Zoomate 110W、T zoom
・Leica C2
・RICOH MYPORT 330 SUPER、ELLE、RX-60、R10

●超おすすめ参考サイト

上記データは、Morography StoicBitchさんのブログを参考にしました。
こちらではこのようなデータ紹介のほか、焦点距離や最短撮影距離まで含めた表のPDFまで作成し、ダウンロードまでできるようになっています!すごすぎ!
ぜひ下記リンク先よりご覧ください。


後編まとめ

前編後編と2回のコラムに分けてお送りした「フィルムカメラのデート機能を使って日付入り写真を撮ろう」いかがでしたか?今回はデート機能の構造や問題を紹介させていただきました。

私が毎日フィルムカメラで写真を撮るのも、この「デート機能」による日付表示があるからといっても間違いありません。集合写真を撮って写っていた方に、後日焼き増しした写真をプレゼントしたときに喜ばれるのは、日付表示のある写真ならではの盛り上がりも。ぜひたくさんの方にもこの魅力が伝わりますように。


ピント宮本
FILM PHOTO BLOGの切込隊長。ピントの合っていない写真の方が大好き。でも、合ってるのも好き。

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